事 例 個 票

1 コードナンバー
2001-205-13

2 テーマ  *事例全体の名称。「〜の事例」、「〜して〜となった事例」等、内容がわかるようにする。
楽しみながら行う嚥下リハビリが摂食・嚥下障害を改善させた事例

3 事例の概要 *事例の全体像を書く。記載されていることを事実を曲げない範囲で簡潔に挙げる。
病名:
その他の脳血管疾患        
年齢:
 
性別:
     
 
概要 (患者像、問題点、判断など)
    脳血管疾患患者で摂食・嚥下障害がある患者3名。嚥下運動の準備期、口腔期に患者が継続して自主的に行える遊びを取り入れた嚥下リハビリを行い、口周囲の筋力、咀嚼・嚥下力改善に取り組んだ。嚥下リハビリは週3回(月・水・金)に食前の体操、手作りカルタ取り、紙風船飛ばしを行った。その結果、摂食・嚥下障害の評価を3週に1度行い、3ヵ月後には3事例とも改善がみられた。そのうち2事例は、食事の形態が普通食及び軟食になった。

4 看護の状況   *この事例で言いたいことのみを挙げる。
このような患者に
このようにしたら
こうなった
A氏60歳台男性。左被核部出血で右片麻痺、混合型失語症あり。 嚥下リハビリは週3回(月・水・金)に食前の体操、手作りカルタ取り、紙風船飛ばしを行った。摂食・嚥下障害の評価表を用いて3週間に1回評価を行った。 カルタ取りはパ行とラ行がはっきり発音できなかったが、一文字ずつゆっくり発音できるようになった。三つ又巻き笛は右が遅れて広がっていたが同時に広がるようになった。ボールやお手玉を自分で投げてキャッチできるようになった。食後の含嗽もできるようになり、3ヵ月後、評価項目はすべて正常の24点になった。
B氏70歳台女性。左被核部出血で右片麻痺、構音障害あり。 嚥下リハビリは週3回(月・水・金)に食前の体操、手作りカルタ取り、紙風船飛ばしを行った。摂食・嚥下障害の評価表を用いて3週間に1回評価を行った。 カルタ取りは言葉がこもり聞き取りにくい状態であった。三つ又巻き笛は空気をしっかり溜めて勢いよく吹き広げることができるようになった。前屈姿勢もお手玉のときは正面を向き笑顔が見られた。ガラガラ含嗽ができず、含嗽を拒否することもあった。3ヵ月後の摂食・嚥下障害の評価は2点から7点となった。
C氏70歳台女性。多発性脳梗塞で左不全麻痺あり。 嚥嚥下リハビリは週3回(月・水・金)に食前の体操、手作りカルタ取り、紙風船飛ばしを行った。摂食・嚥下障害の評価表を用いて3週間に1回評価を行った。 三つ又巻き笛は徐々に広がる状態から、勢いよく吹き広げることができるようになった。ボール投げのときは姿勢の傾きを直し左右のバランスをとることができ、顔を上に向けることができるようになった。上を向いての含嗽はできなかったが、口をすぼめて勢いよく水を出すことができるようになった。3ヵ月後、摂食・嚥下障害の評価は11点から13点となった。

5 看護行為の種類   *該当するものを選択。複数の選択も可。
食事介助・摂食介助 食事指導 リハビリテーション支援    

6 事例から引き出したこと *客観的にみて事例全体から言えること、経験知、または、経験知になりうること、発展しそうなこと。
カルタ取りや風船飛ばし、お手玉やボール投げ、三つ又巻き笛は、舌、口唇、咽頭の筋肉の動きを滑らかにして嚥下リハビリに役立った。

7 キーワード
  (1) 対象を説明する言葉 脳血管疾患 摂食・嚥下障害  
(2) 介入がわかる言葉 嚥下リハビリ 遊び  

8 出 典
 

著者名 清家 美 山本 光子 高平 佳代美

著者が看護職者でない場合の職種(          )

タイトル名 準備期・口腔期における摂食・嚥下障害に対する遊びを取り入れた嚥下リ サブタイトル名

雑誌名 日本看護学会論文集 成人看護U VOL 32 NO ページ 92-94 発行 2001

9 備 考 (分析者の主観的評価、コメントなど) *情報として足りない部分や活用方法など