事 例 個 票
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1 コードナンバー |
2001-104-2 |
2 テーマ *事例全体の名称。「〜の事例」、「〜して〜となった事例」等、内容がわかるようにする。 | |
足浴ケアを導入して踵部褥瘡が改善した事例 |
3 事例の概要 *事例の全体像を書く。記載されていることを事実を曲げない範囲で簡潔に挙げる。 | |||||
病名: |
脳梗塞 | 血管性及び詳細不明の認知症 |
年齢: |
9○ | 性別: |
女 |
概要 (患者像、問題点、判断など) |
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90歳代の多発性脳梗塞・脳血管性痴呆で特別養護老人ホームに入所中の女性。両踵部の褥瘡が悪化し、治療目的で療養型病院に入院。褥瘡に対して外科的デブリートメント施行し、ユーパスタの処置を行うが1ヶ月以上経過しても創状態に変化が認められなかった。全身状態や褥瘡部の状態をアセスメントし、下肢血行促進を図り、肉芽の増生が促成されることを目標にバブル機能付き足浴器にて右足のみ足浴を実施した。結果、4ヵ月後に右足の褥瘡は左足より26日早く治癒したことから、足浴は肉芽増生を促進し表皮化を早めるのに効果があると言える。 |
4 看護の状況 *この事例で言いたいことのみを挙げる。 | ||
このような患者に |
このようにしたら |
こうなった |
入院時、褥瘡状態は、右4.1×3.8cm、左4.2×3.2cmで両踵部ともに黒色痂皮で覆われていた。 | 主治医が黒色痂皮に対して外科的デブリーとメントを施行。イソジン洗浄と生理食塩水洗浄後、白糖ポピドンヨード剤を塗布し、1日1回交換。静止型上敷エアーマットレスを使用し、体位変換時は両踵部を浮かせた。 | 入院1ヵ月後、褥瘡の壊死組織はほぼ除去。その後2週間経過しても創状態に変化が認められなくなった。右4.0×3.2cm黄色壊死があるが、赤色肉芽も認め、左4.0×3.1cmで赤色肉芽に覆われていた。 |
経管栄養から1日あたり1000Kcalの栄養補給。排尿は留置カテーテルで管理。体温37.2度、脈拍78回/分、血圧98/32mmHg、血清アルブミン3.2g/dl、ヘモグロビン10.5g/dl。 | 全身状態のアセスメントを行い、ドップラーで血流を確認した。 | ブレーデンスケール、K式スケールより褥瘡発生の危険性はきわめて高い状態であることがわかる。今後肉芽増生と表皮化には創部の積極的な血行を促進する看護介入が必要と判断。 |
状態の悪い右踵部に足浴を実施することとした。 | バブル機能付き足浴器を使用し、毎日10分間実施。湯温は38〜39℃、湯量は5リットルとした。 | 右足は1ヵ月後に黄色壊死組織の除去と肉芽増生が、さらに2ヵ月後に肉芽増生が促進、3ヵ月後に表皮化が始まり、4ヵ月後に治癒した。 |
5 看護行為の種類 *該当するものを選択。複数の選択も可。 | |||||
足浴 | 創傷ケア |
6 事例から引き出したこと *客観的にみて事例全体から言えること、経験知、または、経験知になりうること、発展しそうなこと。 | |
血行不良から踵部の褥瘡が改善しない事例に対しては、毎日10分間の足浴は効果がある。 |
7 キーワード | ||||
(1) 対象を説明する言葉 | 褥瘡 | |||
(2) 介入がわかる言葉 | 足浴 | 血行改善 |
8 出 典 | |||||||||||||||||||||||||||
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9 備 考 (分析者の主観的評価、コメントなど) *情報として足りない部分や活用方法など | |
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